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切磋琢磨

2022.02.25
カテゴリ:

平屋、ということだけに留まらない


こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。

敷地に恵まれて、平屋が建てられそうなとき
平屋、ということだけに留まらず
できるならばもうひとつ屋根を低くしたいと思います。

機能的には
雨の日、
雨傘を頭に引き寄せるように低く持てば、足元まで濡れにくいように
低い屋根が雨から建物を守る。

夏の暑い日、
日傘を低く持つほど体にたくさん日影が落ちるように
低い屋根が建物に日影を落とす。

気持ちの面では
軒先に手が届くほどであると、そのように守られている感じがするからか
屋根に包まれている安心感がある。

そして
住まいは、自分自身の服装よりも、もっといつも人目にさらされるものだから、
建物自身の身だしなみとして、低く、華美でなく、品のある佇まいに整えたい。

実は高くするよりも、低くする方が詳細な設計検討が必要で
日常に不便があるようではもちろんだめだし
地味だが大事なことでは屋根裏に配管配線通せない、窓の上の外壁を張れない、法適合、とか。

ひとつひとつ丁寧に解く。

出来上がってみれば何事もなかったように
低い屋根に包まれた住まいが、地に根付くように建っています。

井口慎弥/扇建築工房