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切磋琢磨

2018.06.02
カテゴリ:

自分で間取りを描いてみる~準備編~


こんにちは、扇建築工房の井口です。

好きな方は自分で間取りを描いてみるっていうのはいいことだと思います。

間取りを考えることは、暮らしを考えること。

車は何台停めるだろうか、ほんとに一人一台要るだろうか
と考えるのもこれからの暮らし方を考えることだし
トイレは1階2階それぞれに要るか要らないかってことも暮らし方の大事なことです。

実際にはプロに任せるとしても、提案された図面の見え方も違ってくると思います。

さあやってみようといっても
何から始めたら良いか分からないと思いますので、一般的な方法を紹介します。


1.敷地の「公図」「測量図」を取得する

土地を新たに購入された方は書類の中に入っているはずです。
建替えの計画で、古い書類もどこいったか分からないという場合は、各地の法務局に行けば取得できます。

●公図

「公図」という地図は縮尺が1/500の地域の場合と、1/600の地域の場合があって
1/600の場合は敷地の形が実際と違うのであまりあてになりません。
1/500の場合はだいたい参考になります。

●測量図

「測量図」は測量を行っていない場合はありません。

公図が1/600で測量図もなければ、がんばって敷地を測ってだいたいの形を描きます。


2.縮尺を1/100にする

1/100にすると、定規で測って1cmが実際には1mになるので寸法を測りやすいです。
公図や測量図をコンビニのコピー機で1/100になるように拡大縮小します。

1/500の公図だったら500%拡大にします。一回で500%できなければ250%×200%します。


3.トレーシングペーパーを重ねる

トレーシングペーパーというのはこういう裏が透ける半透明の紙です。
マス目がついてない無地のタイプも、マス目のついてる方眼紙タイプのもありますが
ついてる方が簡単です。

が、ちょっと注意があります。

よく売ってる紙のマス目は1cm方眼です。

しかし木造住宅は一般に柱の間隔が91cm(3尺)なので、1/100だと9.1mmです。
だからもしあればマス目が9.1mmの製図用トレーシングペーパーだとマス目の通りに間取りを描いていけばいいです。
あんまり売ってないかもしれません。(扇建築工房にたくさんありますのでどうぞ)

マス目があると、それにとらわれて発想が縮こまる!という本格志向の方はマス目無しを使ってみてください。

トレーシングペーパーを、2でつくった敷地図に重ねます。
こうするとトレーシングペーパーを取り換えれば何度でも描き直せます。


4、準備完了、描いてみる

いざ紙を前にするとまったく手が止まってしまうかもしれません。
そんなときはまず駐車場の場所から考えるととりかかりやすいんじゃないかと思います。




どうでしょうか、できましたか?

でも実はせっかく考えたその間取り、実際には建てられないことがあります。
自分の敷地だからといってなんでもかんでも好きなように建てていいわけではないんです。
法律でいろんな制限があります。

そんなことも含めて本格的に描いてみたい方のために
また今度「家を建てられる大きさの制限」について書いてみます。

井口慎弥