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切磋琢磨

2020.05.23
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今、正に最先端の素材


こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。

ここ浜松市は杉の産地。

だからなおさら採れる杉が良質でそのまま使うのが美しいからなのか、地元で焼杉をつくって販売しているところがありませんでした。
焼杉とは杉の板の表面を焼き耐久性を高めた、伝統的な建築建材。

じゃあ自分たちでつくろうと始めた頃は、その都度製作場所の確保にひと苦労でした。
かなりの煙が出るので、どこでもできるわけではないのです。

その後、縁あって浜松市天竜区龍山という場所で継続的に製作ができることとなり今に至ります。
(現在はグループ会社のfan material(ファンマテリアル)が専門製作)

この天竜区龍山、かつて林業・関連産業・人材育成に至るまで龍山村森林組合の革新的な活動で、全国からの視察が絶えないほどの林業最先端の場所でした。
(写真の本「ある山村の革命-龍山村森林組会の記録」で知りました。)


ここで私たちは本焼きという伝統的なつくり方で焼杉を製作しています。
焼く過程で石油を使うこともなく、火種は紙で包んだおがくず。
仕上げの消火は汲み上げた地下水。
いつか廃棄されたとしても100%土にかえる。
全部環境にかえるものだけ。

環境共生の今、これこそ正に最先端。

最先端を切り開いた場所で、今も最先端をつくらせていただいている、
この龍山にたどり着いたこともきっと偶然ではないはず。

井口慎弥/扇建築工房