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切磋琢磨

2020.07.02
カテゴリ:

ただ今の気密断熱性能値

こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。

今までとりわけこちらから説明することもなかったのですが
高気密高断熱が本当に良く見るキーワードになってきました。

見学会来場の方から質問をいただくことがあるので
現時点の性能値を書いておきます。

2020年7月時点


断熱性能UA値:0.6前後

数値が小さいほど断熱性能が高いことを示す

省エネ住宅であることの国基準値は
おおまかに
北海道 0.46以下
東北・甲信越 0.56~0.75以下
ほか本州 0.87以下
静岡県 0.87以下


気密性能C値:0.6前後

小さいほど壁や屋根の隙間が少ないことを示す

隙間が小さい方が寒くないっていうのは想像しやすいと思いますが
もう一つイメージしにくいのは、換気がされやすくなって室内の空気がよどみにくくなるということ。

なんでかっていうのは「気密 なぜ」とかで検索すると膨大な量の記事が書かれていますので
そちらを見てみてください。

今は気密性能の基準値は無いので比較しにくいのですが
ひと昔前は5.0以下で省エネ住宅という基準があったり(今では5.0なんてありえませんが)
2.0以下!を売りにしていたハウスメーカーもありましたが

今では全体に技術も上がり、専用の建材もたくさんあるので
数値はかなり下がってきているようです。


真壁(しんかべ)ながらこれらを確保するには、なかなか工夫が必要でして
設計で、現場で、いろんな試行錯誤をしました。

温熱が得意な全国の工務店仲間のところに勉強に行ったり
新木造住宅技術研究協議会という断熱気密性能普及に努めている団体に入会してノウハウを得たりしました。

さっき真壁ながら、といったのは
真壁というのは写真のような柱が見えているつくり方のことですが

柱や梁があるたびに壁が途切れるので、断熱や気密も一度そこで途切れ、
また壁も薄いために断熱も確保しにくいのです。

だからといって「断熱気密をやりやすくするために、柱見せるのやめてしまおう」
とは、なりません。

そうしてしまえばやりやすくはなるかもしれませんが
気密断熱の仕組みを理解し適切な技術をもって施工すれば
真壁であっても高い性能を確保することが可能です。

家は真壁。

を、私たちは重要視しているので。
それはまた別のときに。

井口慎弥
扇建築工房
iguchi@ougi.jp