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切磋琢磨

2021.02.18
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【3】「住宅性能表示(温熱)」の最高等級とは?

こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。

性能表示(温熱)の最高等級とはどのくらいの性能でしょうか。


住宅性能表示制度とは?

平成 12 年「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に運用開始された制度で

住宅の通信簿をつける制度です。

 

開始から項目の追加や、内容の更新を重ねながら今に至ります。

現在はこのように10個の項目があります。

①構造の安定に関すること
②火災時の安全に関すること
③劣化の軽減に関すること
④維持管理・更新への配慮に関すること
⑤温熱環境・エネルギー消費量に関すること
⑥空気環境に関すること
⑦光・視環境に関すること
⑧音環境に関すること
⑨高齢者等への配慮に関すること
⑩防犯に関すること

 

このうち

⑤温熱環境・エネルギー消費量に関すること

の内容をみてみます。


⑤温熱環境・エネルギー消費量に関すること は

2項目に分かれています。

 

a.断熱等性能等級 最高等級4

b.一次エネルギー消費量等級 最高等級5


a.断熱等性能等級

法令上は
熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令(平成28年経済産業省令・国土交通省令第1号。以下「基準省令」という。)に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている
出典:日本住宅性能表示基準(平成13年国土交通省告示第1346号)

ということで赤字のところが、平成28年省エネ基準のことですから

 

【1】「省エネルギー基準」を満たせばクリア、ということになります。

 

イ、ロ、ハの3項目に分かれていて、これらすべてを等級4になれば

「断熱等性能等級4」をの評価を得られます。

一つでも等級4より下があると、その一番低い等級が評価等級になります。

 

イ.外皮平均熱貫流率に関する基準

平成28年省エネ基準を満たせば等級4。

 

ロ.冷房期の平均日射熱取得率に関する基準

平成28年省エネ基準を満たせば等級4。

 

ハ.結露の発生を防止する対策に関する基準

これは上2項目のような数字的なことでなく

断熱性能を低下させないための設計施工方法を定めていて、これを満たせば等級4。

・グラスウール・ロックウールなどの繊維系断熱材を使用する場合は、室内側に防湿層を設ける

・断熱層の屋外側に通気層、防風層を設ける

一般的な設計施工方法なのでほとんどの場合こうなっていると思います。


b.一次エネルギー消費量等級

一次エネルギー消費量のより大きな削減のための対策(基準省令に定める建築物のエネルギー消費性能の向上の一層の促進のために誘導すべき基準(その設定の基礎となる基準一次エネルギー消費量が、基準省令第12条第1項の規定により求められたものであるものに限る。)に相当する程度)が講じられている
出典:日本住宅性能表示基準(平成13年国土交通省告示第1346号)

ということで赤字のところを法令を読み進めていくと

 

H28年省エネ基準の一時エネルギー消費基準の10%減を示しています。

これは【2】「低炭素建築物」と同じですね。

 

これを満たせば等級5。


まとめ

住宅性能表示の温熱最高等級の性能は

・断熱性能は、平成28年省エネ基準と同じ

・断熱性能担保のための防湿層・通気層・防風層の設置

・一時エネルギー消費量は、平成28年省エネ基準の10%減


参考資料:
日本住宅性能表示基準(平成13年国土交通省告示第1346号)
評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1347号)

井口慎弥/扇建築工房