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切磋琢磨

2021.04.09
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「結露」の発生原因や対策について

ガラスや窓回りが結露でビショ濡れに…。

冬の寒い夜や朝起きた時によく見かけるシーンです。
寒い時期だけでなく、湿気の多い梅雨時にも結露は頻繁に発生します。

結露は窓回りで起こるトラブルでも必ず上位にランキングしますが、単に不快感を与えるだけでなく、放置すると大変な事につながる危険性があります。窓回りが濡れるだけではなく、実は家全体や人体にも悪い影響が及びます。

窓の雑巾がけが増えて面倒くさいという理由だけでなく、大切な家や家族を守るためにも、イヤな結露の原因と対策をしっかりと知っておきましょう。

 

イヤな結露はどうして起きるの?

結露はなぜ発生するのでしょうか。

理科の授業で習った経験があるかも知れませんが、「温度」と「湿度」が関係しています。難しい言葉で言うと「飽和水蒸気量」を超えると結露が発生します。

空気は温度が高くなるほどたくさんの水分を含むことが出来ます。逆に温度が下がると少ししか水分を含むことができません。

暖かくなった空気が急激に冷えると、空気中に含むことができなくなった水分が液体として現れます。
これが結露の発生原因です。

 

冬の部屋を思い浮かべて下さい。

暖房器具で温まった空気が冷たい窓ガラスに触れて急激に温度が下がり、含み切れなくなった水分が結露としてガラスやサッシに付着するのです。部屋を温めれば温めるほど、結露が発生する可能性が高まります。

特に寒い日や朝方に結露が発生しやすい理由は、外気温が低く、室内との温度差が大きい事が影響しています。加えて、冷え込む日ほど活発に暖房器具を利用するため、結露の発生が促されてしまいます。

 

窓ガラスに付着した結露は水の塊になってやがて下に流れ落ち、床や窓の枠を濡らします。

フローリング材や窓枠材がそのまま水分を吸い込むとカビや腐食の原因になります。当然カビの発生は室内の空気を汚し、人体への悪影響も無視できません。

放置すると良い事がない「結露」は早急な対策が必要です。

 

結露の発生しやすい場所はどこ

結露は放置しても何のメリットもありません。

発生しやすい場所を知り、しっかりと対策を取っておきましょう。

実際にどのような場所に結露が発生しやすいのかを説明します。

 

「温かい空気が急激に冷える場所」が発生場所のポイントになります。

まずは暖房をする部屋の「窓ガラス」です。ガラス面だけでなくサッシの「枠部分」も結露し易い場所です。

また、日常的に目に付きにくい「家具の裏」も要注意です。空気が滞留しやすく、空気の入れ替わりが難しいため結露の発生しやすい場所です。

他にも「クローゼットや押入・収納部分」は空気の入れ替えが困難な場合が多く、冷たい空気が滞留しています。温かい空気が収納部分の冷たい空気と触れて結露が発生しやすく注意が必要です。

さらに「部屋の隅」も空気が停滞するために結露が発生しやすい部分です。

その他にも下記の場所にも注意が必要です。

・廊下
・暖房を入れていない部屋
・北側の壁
・玄関付近
・脱衣場(浴室からの湿気が影響)

 

戸建て住宅に比べてマンションは気密性が高いため結露が起こりやすくなります。

結露が発生するとカビやダニの発生原因につながります。カビやダニはシックハウス症候群の原因となり、ぜんそくや皮膚炎を引き起こす危険性があるのでしっかりとした対策が必要です。

 

簡単にできる結露対策

簡単に結露対策をする方法をいくつか紹介します。

結露を防ぐためには「温かい空気」と「冷たい空気」が触れる機会と場所を減らす事です。

そして、温かい空気の「湿度」を下げておく事です。

この2点の対策を行うと結露の発生を防止できます。

 

最も簡単にできる対策は「換気」です。

温度も湿度も上昇した室内の空気を、積極的に窓を開けて入れ替えましょう。

寒い冬場に窓を全開にするのは勇気が要りますが完全に開け放つ必要はありません。空気の入口と出口を設けるだけで自然に室内の空気は入れ替わります。
温かい空気は上昇する性質があるので、部屋の上側にある窓を少し開けるだけで室内の空気が循環します。

 

家具の裏側にも空気が流れるようにしなければなりません。壁面ギリギリで配置している家具の裏側に隙間を設けるように配置しましょう。

窓ガラスに貼る結露防止用のフィルムも安く販売されています。貼り付けるだけでも結露防止効果が高まるので挑戦されてもよいでしょう。

空気の入れ替えが難しい収納部分に関しては、除湿剤の設置や、新聞紙を置くだけでも吸湿効果が高まります。

長時間利用するリビング等の部屋であれば除湿器を設置しても良いでしょう。

 

本格的な結露対策工事をしよう

本格的な結露対策工事をするなら開口部の改修工事がオススメです。

特に熱の出入りが大きいのが窓などの開口部で、この窓部分の対策が非常に有効的です。

代表的な窓回りの結露対策の工事は、下記のような3つの方法があります。

・窓ガラスを複層ガラスに交換する

・アルミサッシを樹脂サッシに変更する

・内窓(インナーサッシ)を取り付ける

 

中でも「内窓」の設置が最も簡単で効果的です。

一般的な住宅であれば窓の周りに「窓枠」と言うものがあり、この部分に内窓を設置します。従来から存在するサッシの内側に、もう1つの窓を設置するようなイメージです。

二重の窓になり、外側の窓と内側の窓の間に出来る空気層が断熱性能を高め、結露の発生を防止します。結露防止に加えて防音効果や光熱費の削減等のメリットがあります。

ただし、条件によっては設置できない窓もありますのでご注意下さい。内窓設置の工事日数の目安は、内窓本体の取付け設置に半日程度が必要です。

新築の場合は、最初から断熱性能の高いサッシを利用することをオススメします。

 

結露対策では家全体で計画を

窓の断熱性能を向上させるだけでは完璧な断熱効果は得られません。特に古い住宅の場合、適切な断熱施工がされていない場合があります。

断熱材は部屋全体、さらに家全体を覆うように設置しなければ高い効果が望めません。

古い住宅では床下の断熱が不十分な場合が多く、底冷えの原因にもなっています。しっかりとした床下断熱工事を行ないましょう。

近年は建物の断熱性能が大幅に向上しています。

家全体をスッポリと包むように断熱することにより、光熱費の削減や結露防止はもちろん、部屋同士の温度差を小さくすることが可能になりました。

 

断熱工事はたかが結露対策ではありません。家族の健康を守るためにも必要な対策です。

窓だけでなく結露対策や断熱工事は「家全体」で検討する事をオススメします。

 

まとめ

いかがでしたか。

結露は単に不快感を与えるだけではなく、住環境にとって非常に悪影響がある現象であり、長い期間暮らすにはオススメできない環境です。

しっかりとした結露対策や断熱対策を取ることが快適で安全な暮らしにつながります。

少しでも快適な暮らしを整える参考にして頂けたら幸いです。